葡萄畑しかない無人駅で下車した話【イタリア・シチリア島トラーパニ】

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こんにちは。Karmenです。

降りる駅を間違えることはよくあります。

これまでで一番困った駅、それが今回のシチリア島西部トラーパニにある駅です。

トラーパニの語学学校に通っていた時のことです。

トラーパニは、パレルモからバスでおよそ1時間半。

シチリアの西の端にある、恐ろしく綺麗な海辺の、古くて美しい街です。

ローマよりアフリカのチュニジアが近いくらい。

パレルモより、よりディープなアラブやアフリカの香りのシチリアが堪能できるエリアです。

古い建物も沢山。

おいしいワインも沢山。

この辺は白ワインがおいしいエリアでした。

ルームシェアして、ポーランド人のマダムと住んでいました。

ある日、彼女から

「モツィア島がいい所らしいので一緒に行きませんか?」

とのお誘いが。

シチリアといえば、塩、塩田が有名です。

あとで知りましたが、カルディコーヒーとかでよく見るこの塩、このモティアMOTHIAが、目的のモツィアMOZIAです。

よく見たらトラーパニTRAPANIっても書いてありますね。

🔽シチリアのおいしい塩

そのモツィアとやら、遺跡やら博物館やらあって、有名らしいのです。

↓ ↓

イタリア語の授業が終わったお昼に、マダムと二人でモツィアに向けて電車で出発しました。

これはトラーパニ駅構内のカフェ。

電車の本数も少なく、人も少なく、地味ながらくつろぎ度数半端ないローカルカフェです。

今見ても、こんな青い空の下にいたなんて不思議な気持ちです。

コーヒーを飲んだ後、電車に乗車し、どこで降りるのか彼女に聞いたら…

「ここじゃないかしら? モツィアって書いてあるし」

MOZIA-BIRGI駅で下車しました。

有名な観光地のはずなんだけど、その割に下車する人がほぼいない。

そして無人駅。

嫌な予感がしてまいりました!!!

駅の真ん前は、見渡す限りの広大な葡萄畑。

葡萄畑の反対方向に行くと、駅前にカフェも無く、民家数件と、1件のワイン工場があるくらい。

それもワイナリーのような洒落たものではなく、単なるワイン製造工場、と言った趣。

どう考えても、モツィア島やら浜辺やらが近くに無い様子。

やっちまったみたいです。

時刻表で次の電車を調べると

上りも下りも2時間後。

タクシーに乗って帰ろうか?と提案してみましたが、ポーランド人教師のマダムは倹約家らしく、あえなく却下。

自販機も周辺に店も何も無い駅で2時間過ごします。

ぶどう畑をうろうろ。

ぶどうの写真を撮る他ありません。

ぶどうが沢山実を付けていました。

ワイン用かな?

少し失敬いたしました。

マダムと二人でぶどうを食べて、電車を待ちました。

甘くてとても美味しかったです。

木陰でぶどうを食べているだけの、8月の午後。

生温かい風に吹かれて、ぶどう畑の横でひたすらぶどうを眺めて過ごす2時間あまり。

思えば、こんなぶどう畑に行きたいと思って行くとなると、結構な労力を要します。

目的地には行けなかったけれど結果オーライ、かけがえのない時を過ごせたと思います。

その日の夕暮れ。

トラーパニの夕陽は絶景です。

海に沈む夕陽を、ここで生まれて初めて観ました。

その後、何度もなんども、夕暮れ時には海辺に行くようにしました。

もっと見ておくんだったな。

この日学んだこと。

異郷の地では、これから行こうとする場所というものは、決して人任せにしたはならないのであります。

そして今、調べ直してわかったこと。

駅前の道に4本道があり、3本歩いて、1本だけ行かなかった道がありました。

行かなかったその道沿に、駅から200mほどにカフェがありました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

Karmen

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