「宙に浮かぶ船」は予想外に日本から近かった!ローマからひとっ飛び【イタリア・ランペドゥーザ島・11】

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ランペドゥーザ島の治安

ランペドゥーザ島。

近年この島が話題になったのは「宙に浮いた舟」ばかりではありませんでした。

北アフリカから欧州を目指し、小舟に満杯に乗せられ、大挙して押し寄せた難民の問題です。

https://www.bbc.com/japanese/37217614出典:BBC.com

出典:BBC.com

NHKの報道番組「クローズアップ現代」(月~水・夜7時30分)。1993年に始まってから、これまで4700本以上を放送してきました。このサイトではそのすべての放送記録をご覧いただけます。

出典:クローズアップ現代

難民が上陸した国が責任を持つ、というEUのルールの為、イタリア政府が膨大な数の難民のお世話をすることに。ランペドゥーザ島内にもアフリカからの難民収容施設があります。

難民が上陸し始めた頃のニュースは衝撃的でした。

なかでも当時の筆者にインパクトを与えたのが、防護服姿の沿岸警備隊の姿。

出典: http://www.rainews.it/

差別的な見方であると承知しておりますが、アフリカから命からがら逃げて来た彼らを見て、不衛生な状態で上陸した彼らから、エボラの様な恐ろしい病気が現地から世界に広まってしまわないか?と、そんな危惧をした記憶があります。

当時イタリアに滞在しており、ランペドゥーザ島を訪れるのは容易でしたが、ニュースでマスク姿のイタリア人(ヨーロピアンがマスクをするのは緊急事態と聞いたことがありました)を見るにつけ、只事ではないと感じ、呑気に観光に行く場所ではないのではないか?と思っていました。

実際この時、観光客の足は遠のき、リゾート依存の島の存続の危機でもあったそうです。

でも、その危機を救ったのが「宙に浮く舟」のSNSブレイクだったのです。

観光客が再びランペドゥーザ島観光することで、島民は救われたのです。

難民問題は何が大事?

命懸けで国から逃げてきた人たち。沈みかけのボートにつかまり、目の前で溺れる人を黙っておく事はできないでしょう。

でも、可哀想だからとバンバン救助してイタリアにホイホイ置いていくだけの人たちはイタリア人ではなく、難民を受け入れていないフランスなどの人権団体です。

この団体の人は正義感ヅラして、我々は必死に苦労して人命救助してる!と話します。

だったら責任持ってフランスまで連れていきなさいってお話ですよ。

実際フランスは、陸路のイタリア経由難民の入国を拒否したらしいですよね。でも「もう無理」と言っているイタリアに勝手に置いていくんだから自国フランスにだって置けるはず。そうでなければただの自己満足じゃないですか。自国民は困らせる訳にはいかないのでしょうか?よその国の平和な市民生活を破壊して知らんふりというのは全くもって意味不明です。

EU諸国から難民を押し付けられたイタリア政府も、もうこれ以上対応仕切れない、と拒否する方向みたいですし、それを非人道的だと非難も出来ないと思います。

小さな島に突如降って湧いた難民問題。今は目に見える様な問題は無く、表面的には平穏を取り戻しているものの、未だに島民は悩まされ続けているようです。

…と、つい長々と語ってしまいまたが、ご当地の問題に目を向けるということも旅の良さであると思うのであります。

戸締りは絶対忘れないで

ひとつだけ。

「夜は部屋の戸締りは全部しなきゃあ駄目だよ。絶対にね。」

初日に宿の主人フランチェスコから言われたこの言葉が忘れられません。

こんな穏やかなビーチリゾートの離島で言われる言葉にしては重すぎました。

少し街の中心部から離れた、数件の集落のアパートタイプの部屋でしたが、夜の散歩もあまり勧められない、庭の中を歩く位ならまあいいよ、とも言われました。

彼はハッキリとは言いませんでしたが、難民がこの島に来て以降、のどかな田舎の島ではなくなったのだな、と感じるには充分でした。

現在の治安は?

現在の治安はというと、数日過ごした限りでは、街なかもビーチなども平和で賑やかで治安も良いと感じました。

難民問題以降、一時激減した観光客も、以前のように戻ってきているようで、インスタやFBなどのSNSからの発信を見れば充分雰囲気が判ります。

ビーチや街の中心部で普通に過ごす分には、通常の海外旅行よろしく、普通に気を付けていれば何も問題ありません。バッグや携帯は身体から離さない、とか、暗い夜道は一人で歩かない、とか。

田舎ですし、むしろ他の観光地よりのんびりしています。島民もフレンドリーだし、旅行客に対して気を配ってくれますから、安心して過ごせます。

夜も、メインストリートのローマ通りvia Romaはリストランテ、バール、ジェラート店など、多くの飲食店が真夜中過ぎ遅くまで開いていて、沢山の観光客で賑わっています。

結 論

緊張する必要は無いが、当たり前のことをそれなりに気を付ける必要はあります。

絶景が見たければ自己責任で、などという危険は少しもありません。

現在も進行中の問題がある、という事を意識しておくべき。

とにかく人生で一度!と言わずまた行きたい(多分行く)!

海の概念が変わりそうなほど何処もかしこも絶景だらけ!

ランペドゥーザ島はそんな素敵な島です!

迷ってるくらいならさっさと行きましょう。

思っているよりずっと簡単です。

by Karmen