乗り鉄 in イタリア【シチリア鉄道・海峡横断編】

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列車に乗ったまま船に乗る。

「おれは列車に乗っていたと思ったら

いつのまにか船に乗っていた」

な…何を言っているのかわからねーと思うが

おれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…」

シチリア鉄道を一言でいうとそういうことですかね。

え?わからない?

某人気漫画の名セリフに乗せて分かりやすくご説明して差し上げたつもりでしたが…。

…すみません。ちゃんとご説明します。

シチリア鉄道

イタリア本土とシチリアの間には海峡があります。この間をフェリーが繋いでいるのですが、このフェリーになんと列車ごと積み込んでしまう、という、なんとも大胆な手法の渡しなのです。

シチリア海峡!

昔、旅番組で見て以来ずっと憧れていて、シチリアに行くならこれに絶対乗ろうと心に決めていました。

パレルモから出発

今回の旅はシチリアのパレルモ・チェントラーレ駅からナポリへ向けて約9時間(はぁ〜)の長旅です。

パレルモからナポリ行は7時頃・10時頃・21時頃の3本。

一人旅なので安全策として、それと早起きは嫌なので10時発を選びました。

夜間、早朝のパレルモ駅前は危険とも聞いています。

無事定刻に出発。出発するだけで一安心のイタリア鉄道事情って〜!

↓みんな大好きトレニタリア(イタリア国鉄)
http://www.trenitalia.com/

悪名高いイタリアの鉄道事情

イタリアの鉄道事情は、人によってはかなりストレスフル。

普通どおりに出発して、普通に駅に停車して、なぜかいつでも軽く30分は遅れて到着する、摩訶不思議な運行状況。

場合によっては”なぜか来ない”のも普通です。

筆者は幸いこのような惨事に見舞われたことはありませんが、この前見たNHKの旅番組でもナポリ始発の列車が90分遅延とかで、いやはやご愁傷様、としかいいようのない有様なのです。

この手のストレスに弱い人は死ぬかもしれません。

某口コミサイトで「ホテルで頼んだタクシーが15分も来なかった(怒)」という口コミがあったのを見ましたが、そういうのが許せない方は日本から出ない方がよろしいかと思います。まあ、仕事だとやむを得ないと思いますが、ご愁傷様です。。

公共サービスが死んでるのがイタリアです。

そんなことに目くじら立てず、ほんとに来ない電車を楽しんでください。

少し話がそれましたが、解る方は解ると思います。

海岸線に沿って走ります

パレルモを定刻に出発した電車は、シチリア北部を美しい海岸線に沿って走ります(脳内で石丸謙二郎氏ナレーション)。

薄曇りで波もほぼ無く、雲が海面に映っていました。

水平線と海の境界線もはっきりせず、夢のように1隻の船が浮かんでいました。

途中、映画「ニューシネマパラダイス」ロケ地の街チェファルー、世界遺産の火山列島・エオリエ諸島も車窓から望めます。

3時間程走り、海峡の街メッシーナに到着します。

ここで電車がフェリーに積み込まれるのです。

どうやって積み込まれるのか?

長く連結された電車をどうやってフェリーに積み込むのか?

それは、連結された車両を切り離して、並べてフェリーに積み込まれるのです。

フェリー内にまで線路が敷かれ、陸上の線路と接続して電車を船内に引き込みます。

この作業およそ1時間。

しかし、これ考えついた人は頭柔らかいですよね‼︎

なんと、実は日本でも昔はこのシステムがあって、そのうちの1つがかの有名な演歌"津軽海峡冬景色"のあの!連絡線なんだそう。

この時はそんな情報つゆ知らず、私も一人連絡線に乗り、黙々と作業の様子を窓越しに眺めておりました。

船に乗ったから電車を降りる

ここが「何を言ってるかわからねー」の正体です。

電車がフェリーに積み込まれ、しばらくすると、電車の乗客はフェリーに乗せられた電車から降車して、船内に行くことが出来ます。

船内にはバリスタがいるカフェがあり、淹れたてのエスプレッソが飲めます。

素晴らしい‼︎ 素晴らしい‼︎ 素晴らしい‼︎

他にもアランチーノ(シチリア風ライスコロッケ)、スナック、ジュースや水など、が買えます。

でも、一斉に電車を降り群がった客でごった返してカオス

イタリア人は並ぶことが出来ません。割り込み上等なんです。

この時は気づきませんでしたが、このカフェはこの旅で最初で最後の食料調達ポイントでした。

お買い忘れの無いようにご注意下さいね。

カオスをくぐり抜け手に入れたコーヒー片手にデッキに出て、しばしの船旅を楽しみます。

サンサンと降り注ぐ陽光を浴びながら、割と強めの潮風に吹かれ海峡を渡ります。

イタリア本土上陸!より、シチリアとお別れツラ〜!っていう気持ちの方が強いのは船旅ならではのセンチメンタリズムでしょうか?

イタリア本土側のヴィラ・サン・ジョヴァンニに到着すると、また同様の工程の作業を経て、電車は本土の線路を走り出します(再び石丸謙二郎氏脳内ナレ)。

つま先からナポリまでが長い

本土上陸すると、シチリアと景色が一変、海岸線もチラホラ見える程度になり、すぐ内陸を走ります。

この頃になると、オヤツも飲み物も尽きて、単調な景色にも飽き、昼寝も散々して眠気もなくなり結構しんどくなってきます。

写真もルーチンのように30分に一枚程度。

この調子で3時間くらいダラダラ乗り続け、やっとヴェスヴィオ山が見えて来て生気を取り戻します。

19時30分頃ナポリ・チェントラーレ駅に到着。

初めてのナポリに感動する間もなく、暮れゆく空に「夜のナポリ危険」の黄色信号が点滅。

チキンハートな筆者は、さっさと宿へと足を早めたのでした。

宿で一息入れ、評判のピザ屋へ向かい、ナポリ定番のピッツァ・マルゲリータを注文。
香ばしい薪の香りのするピッツァをイタリアンビールで流し込みながら、これからこの国で何枚のナポリピッツァを食べる事が出来るんだろか?などと、ふと考えました。

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